ドイツは、養鶏業におけるオスのヒヨコの大量殺処分禁止令を制定する最初の国となったようだ。長年議論の続いているこの習慣を廃止する法案を、政府がついに承認したのだ。
閣議決定されたこの法案によると、2022年から、オスのヒヨコの大量殺処分を禁止するという。ユリア・クレックナー農相はの声明で、「動物福祉のための重要な第一歩」と話した。
ドイツでは2019年、殺処分以外の代替案が見つかるまでは、オスのヒヨコを選別して殺すことを合法との裁定が下されたが、動物愛護先進国として反対の声も多く上がっていた。
多くの養鶏現場では、オスのヒヨコは孵化してもすぐにメスと分けられて、高速粉砕機やガスで処分されてしまう。その理由は、オスは卵を産まないし、あまり食肉として適していないからだという。
動物愛護先進国となるべく活動をしているドイツの人々は、この大量殺処分の習慣をやめるよう訴えていたが、養鶏業者側は、残酷でなく実用的で、手軽な価格で利用できる代替案がないと訴えてきた。
だが、政府によると、卵が孵化する前に雌雄を見分ける方法はあるという。
ドイツの企業が開発した技術は、レーザーを使って受精卵の殻に小さな穴をあけ、中の液体を採取して、雌性ホルモンがあるかどうかを調べる方法だ。
「代替技術のために数百万ユーロを投資して、ドイツの地で動物福祉と経済効率を両立させています」クレックナー農相は言う。
2022年までにオスのヒヨコの殺処分を禁止
農相は、ドイツがこの手段を採用する世界初の国になるとし、他国のためにもペースを作り、ロールモデルになりたいと述べている。この法案によって、2022年までにオスのヒヨコの殺処分を禁止し、2024年からは、養鶏業者に対しては、孵化していないヒヨコが痛みを感じることがないよう、孵化の早い段階で効果的に処分する方法を導入することが求められる。
ドイツ養鶏協会は、この法案は問題の部分的な解決にすぎず、ドイツの養鶏業者にはかり知れない競争上の不利益をもたらすことになると主張する。
協会は、オスのヒヨコの処分を段階的に廃止していくことは歓迎するが、法案がヨーロッパ全土で適用されないのは重大な欠陥だと述べている。
尚、この法は、連邦議会下院に承認されることで制定されることとなる。
ヨーロッパでのオスのヒヨコ殺処分に対する動き
2020年1月、ドイツとフランスは2021年末までにオスのヒヨコの殺処分を廃止するために協力することを約束した。フランスのディディエ・ギヨーム農相は、フランスでは2021年末から、殺処分行為を禁止することを確約している
スイスでは2020年、生きているヒヨコを粉砕機にかけることを禁止したが、ガスでの殺処分はまだ許可している。
2019年6月の時点では、ドイツの裁判所は、孵化前の胚の性別を判定できる方法が見つかるまでは、殺処分を続けることができるという判決を下した。
2009年に制定されたEUの法令では、生後72時間以内のひよこを"即死"させる場合に限り、粉砕機での殺処分を認めている。
References:Germany approves draft law to end mass culling of male chicks | Germany | The Guardian / Germany bans male chick culling from 2022 | News | DW | 20.05.2021/ written by konohazuku / edited by parumo
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(出典 news.nicovideo.jp)
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